首相の小判鮫たちが何を思い上がっているのか、「沖縄の二つの新聞をつぶさなければならない」「経団連に呼びかけて広告料収入をなくせばいい」などと気勢を上げて物議を醸した。国会包囲デモなど全国で行動が盛り上がる最中、つぶされるのは安倍自民党のオマエたちではないか? とみなが思っていたら、案の定、ブーメランは跳ね返って青年局長たちを直撃した。自民党二軍が安倍晋三に取り入りたいがためにアピールしたものだった。首相の気持ちを代弁して点数を稼ぎたかったのだろう。しかし、安倍政府が安保法制で追い込まれている折に援護射撃するつもりが足を引っぱり、終いには批判を恐れた自民党からも処分されて沖縄二紙より先に自滅していった。いつまでも続くわけがない権力なのに、握ってしまうとヒヨコたちまで心が大きくなって思い上がりが青天井なのだ。
格好がつかないのが百田尚樹で、自らが放った言葉への責任がまるでない。右翼であれ左翼であれ、その主張が正しいと思っているのなら最後まで貫くべきである。形勢を見て「冗談だった…」はまず第一に反則である。しかも、「普天間基地は昔は田んぼで何もなかった」というのが大嘘で、当の沖縄タイムスから戦争中には9000人が住んでいたと反駁されてダンマリを決め込んでいる。「どこかの島が中国に取られれば…」というのも、中国以前に沖縄はアメリカから取られっぱなしだから県民が立ち上がっているわけで、頓珍漢も甚だしい。無知なら黙っておけばよい。ところが偉そうに沖縄を侮辱して大恥をかく。その「冗談」や大嘘を40人もの国会議員が勉強して盛り上がっていたのだから、「タカ派」改め「バカ派」のレッテルを貼られても文句などいえない。
知識人たちのなかには安倍政府を「反知性的」と表現する人人が出てきた。「反知性的な人人が大勢を占める政府によって反知性がはびこる」のだという。巷のオッチャンたちのように単刀直入に「○○」といったら元も子もないし品位がないので、「反知性的」といっているようだ。「反知性的」な者につける薬などない。国民世論によって叩きつぶされなければ、この思い上がりは治らない。