対日工作の先兵として知られるジェラルド・カーティス(コロンビア大学)が、「アメリカでいったことと日本でいっていることが違う」といって、安倍政府の国会答弁に業を煮やしている。訪米した際には「アメリカを守ります」といっていたではないか…というのである。海の向こうでは心が大きくなってデカいことをいうのに、帰国すると「邦人の生命を守るため」「国民の幸せな暮らしを守るため」等等、歯が浮くような言葉をくり返して、国民を何ら説得できていないのである。
口を開けば嘘や欺瞞的な言葉がこれでもかと出てくる。国会は審議時間だけ稼いで何を審議しているのかわからない。集団的自衛権の行使、つまり武力参戦に踏み込むなら、アメリカの戦争のために自衛隊なり日本の若者が地球の裏側まで駆り出され、恨みもないところで殺しあいをさせられるのが現実である。兵站任務は真っ先に狙われることを覚悟しなければならないし、日本列島がテロやミサイル攻撃の標的になることも具体的に想定しなければならない。自衛隊だけでは足りないので徴兵制になることも目に見えている。
安倍晋三はまず第一に「イラクに行って死んでこい!」「アフリカに行って死んでこい!」「いずれ徴兵制を導入する」と若者に訴え、なぜ死ななければならないのか納得させなければならない。「中国と戦争するから支持してくれ」とか「米軍の身代わりになって中東やアフリカでたたかうから支持してくれ」とか、正々堂々とのべて国民みなを納得させなければならない。国民世論すら動員できず、何が戦争か? である。アメリカで約束してきたことも含めて、安保法制について正面から訴えるべきである。
度胸もなく戦争する前から国民世論を恐れて嘘ばかりついている。しかし、戦渦に投げ込んだ者は相応の恨みを買うことを自覚しなければならない。戦争犯罪人の責任は「腹が痛い」では逃れられない。